φの叡智腕輪が出来るまで


旅行や遠出の夢をよく見るのですが、最近キャリーカートを引いてちこちへ行く内容が頻繁に現れるようになりました。

展示イベントで重たいキャリーでえっちらおっちら。後ろからスーツケース引きずるはるみんさんを心配したり、すれ違うヒトに気を使ったり、電車の乗り換え等でエネルギーを使い..
無事つく間は意外と神経使っていて、そんな観念が夢に出るんだろうな、あとそれだけ出展イベントしてたんだねって話。

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腕輪が出来ました。
デザインは全て、黄金比を成り立たせる要素をいくつか詰め込んでいます。

両サイドにアラベスク見たいな模様がありますが、こちらも黄金比のカーブを組み合わせています。

これ気づかない人が多く、説明するとなかなか感動してくれます。

工程を見直したら案外多くの手順を踏んでいたので、自分が何やっていたか確認する目的も兼ね記事にすることにしました。

真鍮板へのエッチング

先日公開したこちら↓製作記事を参照に。

腐食させる地以外はしっかりトナーを付着させないといけなく、今回の作品としてはベタ面が多く大変苦労しました。合計8度は失敗してやり直しで怒りのデスロードでした。

φの叡智-腕輪製作編-※追記あり-

エッチング後の切り分け

材料は、1.5mm厚で100*200mmの真鍮板を使用しています。そこに6本作れる寸法で図柄をデザイン。無駄無く使うポリシー。

 

エッチング後、平角棒になるように切り分けます。糸鋸で。
一本ごとに罫書きの侵食が出来ているので、そこを真っ直ぐに切り分け。

限りなく真っ直ぐに。そうしないと一本ダメになります。
それはそれはもう..無我の境地で。

糸鋸の弓が途中で長さの限界になる為、残りは反対から切りすすめて切断完了。切れ目を合わせる為に、限りなくまっすぐ。

1.5mmはそこそこ厚みがあるといえるので、金属粉もそれなりに出ます。

 

糸鋸でまっすぐ切る自分なりのコツは、姿勢、力を入れないこと、弓鋸を構え方なんかを2割気にして、あとの8割はイメージと何も考えないでやることです。

今は透かし彫りやるほどに得意ですけど、最初はなかなか難しい作業でした。

「のこぎりで金属切るって常識的に考えてどんだけ?」って思い込みがありましたから。

 

糸鋸についてはこだわりあるので、そのうち記事にしたい。

 

切り跡の処理-ヤスリ掛け

いくら綺麗に切っても切断面は荒いので、棒やすりに持ち替えてすり板の上でガシガシ削ります。

真っ平らに見えるまで、目一杯やります。それなりに厚いので、この作品上一番の力仕事です。

……10っ本以上つくったのでものすごい労力で、これを書いてる今も手が疲労しています。

ここをしっかりやっておかないと、仕上がったときものすごくカッコ悪いです。先に面倒くさいことを済ませておきましょう。

あとは、画像は無いですが、両端の角を丸める作業。角張ってると痛いですから。痛みが快感とかそういうビザールな作風ではないので、滑らかにしています。

焼きなまし〜輪っかに加工

以上の工程を丁寧に済ませてやっと輪っかにしてゆきます。
まずは焼きなましー。燃やすぞー。

ふんわり赤くなる位の加減でバーナーで熱します。こうすることによって、曲げたり変形等の加工が容易となります。それが、焼きなまし。

そうしたら曲げます。バングル作る為芯棒を通常は使うとこですが、持ってないので瓶。

大体同じ形になりました。特に苦のない作業。

ヤスリ掛け〜仕上げ

待ってました。やり始めたら延々没頭の泥沼研磨作業です。今回は鏡面仕上げです。

エッチングをしたり、ベタベタ触ったり、焼きなましで火あぶりの刑に処しボロボロにされてしまった真鍮の輪っかちゃん。

何の罪も無いのに何かと不憫なこの子を浄化して、光り輝く天上界の宝物のようにして行きましょう。

セオリー通り、荒め〜細めという流れです。

ルーターのロールサンダーを使います。

 

こちらのお品を、320番手から順番に1000番手まで。

320番手の時点で、どうしても発生する細かいエッチングの要らない浅い腐食跡や、細かい凸凹を消して更地にしてしまいます。

荒めなので大事な模様を消さないように細心の注意で。

次に400番手、これは320番手を当てた面を拭く気持ちでかけて、すっきりしたら600番手。

800番手で面のキメが整ってくるのがはっきり分かってきて、最後に1000番手でおしまい。

違いが出来るか並べてみたけど、あまり判りません。
この工程はスキンケア的で、今後の鏡面仕上げの出来がここで決まります。

はいつぎ。シリコンポイントというゴムっぽいヤスリで磨きます。画像無しっと。
これで何が起こるというと、キラキラします✨

そして、仕上げにバフ掛け。仕上げ研磨剤を塗ったモフモフのディスクをぐりぐり押し着けて、洗うと..

キラキラからピカピカです🌟🌟

この時点で概ね鏡面です。

これで完成でs....はい次

コンパウンドがあるので、これもかけちゃいます。模型用ですけど使えます。

 

 

 

 

 

 

 

できました。

 

 

 

 

 

 

 

ハセガワというメーカーで20000番手な超微細コンパウンドもあるそうですが、金属鏡面用のもっと適したコンパウンドがあるはずなので、今後模索。
わたくし兄がいるのですが、彼は板金塗装屋さんのシャチョさん。いい方法知ってそう。

 

以上の工程で、Φの叡智バングルが出来ています。

 

※実は墨入れやヘラがけという工程も残っていますがこの記事内では省いています

 

「ただ模様つけてまげて磨いてできた以上!!」ですけど、その中身はいろいろな工程の上に成り立っている。そんなお話でした。

soar
φ phi という創作二人組な野良作家のうちの一人。彫金を担当しています。about -------

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φ phi
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