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天球が、どんな原理でアストロラーベ上に描かれるのか——その「球から平面へ」の変換を、手を動かしながら確かめるための教具です。
天球上の点を、天の南極を投影の光源として、天の北極で接する平面(赤道面)へ映す作図です。光源から各点を通る直線が平面と交わる場所が、その点の写る位置になります。この投影には「円は円のまま写る」「角度が保たれる」という二つの美点があり、だからこそ定規とコンパスだけでティンパンが描けます。右下の投影率スライダーを動かすと、球面の格子が平面へ整形されていく様子が見られます。
赤道・蟹座回帰線・山羊座回帰線は、投影面では中心を共有する三つの同心円になります。いちばん外側の円(山羊座回帰線)が板の縁で、投影率100%ではこの外側が切り取られます。ここに地平線・高度円(アルムカンタル)・方位線(アジムート)が重なり、これらは観測地の緯度によって形を変えます。緯度スライダーを動かして、地平線系だけが動き、赤道や回帰線は動かないことを確かめてみてください。
地平線より下の弧を12等分したもので、昼夜の長さが季節で伸縮する古い時刻制度を表します。赤道では各15°ですが、回帰線では季節に応じて間隔が変わります。
黄道は投影すると、二つの回帰線に内接する偏心円になります。十二宮への分割は経度の等分ですが、投影のいたずらで中心まわりの等角にはならず、黄道極を通る放射線で割るのが古典的な厳密作図です。本シミュレーターはこれと等価な分割を用い、帯は実物のレーテのように均等幅の環として表示されます。
ティンパンが緯度ごとに一枚ずつ要るのは、実物も同じです。初期のアストロラーベは、古代ギリシアの地理学が世界を分けた「七つの気候帯」に一枚ずつ板を備え、どこへ旅しても使える一台にしていました。のちに板は実在の都市の緯度で刻まれるようになり、イスラーム圏の盤にはメッカやメディナ、ヨーロッパの盤にはエルサレムの板がしばしば混ざっています。
使い方は「測って、載せて、読む」の三段です。背面の照準器(アリダード)で太陽や星の高度を測り、レーテのその星を同じ高さの高度円(アルムカンタル)に載せると、盤の上にその瞬間の空がそのまま再現され、時刻が読み取れます。13世紀のエジプトでは、この計算を専門とするムワッキト(モスク付きの計時係)という職業も生まれました。礼拝の時刻が、薄明や影の長さといった天文現象で定義されていたためです。
レーテは器の美の中心でもありました。ヨーロッパの盤を飾る四つ葉の意匠は、遡ればイスラームの盤、さらにはビザンツの盤に原型があるとみられています。
アストロラーベの部品名や天文現象の呼び方は、資料によって表記にゆれがあります。本アプリでは、日本の天文学・科学史の標準表記に統一しています:
これらは学術文献での慣用に合わせたものです。他の資料で異なる呼び方を見かけても、同じ部品・現象を指しています。
教育・解説を目的とした模型であり、精密な天文計算ソフトではありません。歳差や大気差、恒星固有運動などは簡略化しています。
ASTROLABE PROJECTION — by @phi_stmpnks
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